痛いのもつらいですが、かゆいのもこりゃまた、つらいものです。
かきこわして、ジュグジュグお汁がにじんで…。
なんて経験はだれでも、一度や二度はあるものです。

ところで、体には外界からの侵入物と戦う抵抗力、すなわち免疫力がそなわっています。
皮膚をかきこわしたら、そこにも当然バイキンが侵入していくわけです。すると当然、免疫力が戦い始めるわけです。
この場合、爪でうめこまれたバイキンたちは、もともと皮膚の表面にいたわけです。
この、バイキンたちと同じバイキンは毛穴にもいます。

そこで、かきこわしにうめこまれたバイキンたちと戦うはずの免疫力は、 毛穴の中のバイキンまでやっつけようと、してしまうわけです。
かいているうちに、だんだんひろがっていく湿疹の周囲をよく見てみてください。
隣同士の毛穴がジュグジュグとお汁をだして、カサブタをつけながら、 つながっていって…最初のツブを中心として同心円状にひろがっていくものです。

結果として貨幣のような形になるので、このような湿疹を貨幣状湿疹といいます。
遠隔地でも毛穴が腫れることもあります。それは自家感作性皮膚炎といいます。

これらの湿疹は、たちが悪くて、治りの悪いものです。
というのも、免疫力が集結してドンパチやっているわけですから、生半可に治療をやめたりすると、またまた、 免疫力がそのあたり一帯の毛穴を攻撃してしまって、元に戻ってしまうわけです。

ですから、治療をしていくうえでお願いしたいことは…

  • もう、これ以上かかないこと(かけないように、湿疹を覆いましょう)
  • 完治するまで治療すること(かゆみが減っても、ダメ押ししましょう。)

の2つです。がんばって、ちゃんと治しましょう。(炎症が強いので、治ったあとはしばらく茶色くなることがあります。)