2004年7月21日、太田市宝泉地区行政センターで行われているいずみレディースアカデミーにて女性を対象に「皮膚の疾患について」
お話しをさせていただきました。

いずみレディースアカデミーは生涯教育の一環として継続して行われているとのことです。
当日は笑いに満ちたお話となりました。群馬ケーブルテレビの方も取材に見えました。少しでもお役に立てればありがたいです。

お話しの内容は以下のとおりです。

乾燥肌について
  1. 皮膚は角質層と皮脂によって体と外部とを仕切る役割を担っている。
    しかし年齢を重ねるにしたがって皮脂の分泌量が減少するため角質層を接着するセラミドも減少してしまい、異物が侵入しやすく、
    乾燥しやすい肌になってしまう。
  2. 蛇口をひねればお湯が出る、またどこにでも石鹸があると言う環境が整ったのはこの20年間くらいである。
    それまでは毎日お湯につかって、毎日石鹸で体を洗う事など出来なかった。現在の環境では皮脂を取りすぎてしまい乾皮症・
    乾燥性湿疹になる可能性は高いと言える。
  3. 異物が侵入すると、免疫機能が(人体を国に例えるとちょうど軍隊のように)働き、炎症反応を起こして異物を破壊する。そうなると「かゆみ」が発生する。かゆい部分を掻きこわしてしまい、
    皮膚にいる常在菌を直接皮膚の中に食い込ませる事になると常在菌まで敵とみなしてしまい、
    今度は免疫細胞が毛穴にいる常在菌まで攻撃を始めてしまい、湿疹が全身に広がりを見せる事もある(自家感作性湿疹)。
†カビによる疾患について†
  1. カビは足白癬のように足の裏に生えるのみならず、全身に生えることもある。陰部に生えれば「いんきん」、頭なら「しらくも」
    などと言われるが、基本的には同じ病気である。
  2. カビが爪の中にまで食い込んでしまうと、表面に軟膏を塗っただけではほとんど治らない。そのような場合には経口抗真菌薬を飲み、
    気長に爪が生え変わるのを待つ事になるが、効果は非常に高い。

    (休憩中)
ヘルペスウイルス感染症について
  1. 良く「ヘルペス」という言葉を耳にするが、これは言ってみれば地球上の「人間」と言っているようなもので、
    日本人がいればアメリカ人、またインド人がいるように、ウイルスの1種族をさす言葉。口にできるものや性感染するもの、水ぼうそう・
    帯状疱疹を起こすものなどあるが、似た性質を持っている。

    (群馬ケーブルテレビの取材)
レーザー治療などについて
  1. レーザー治療と聞くと「何十万もするんじゃぁ・・・」という方が今でも時々見られるが、健康保険適応のものもある。
    当然その疾患であれば恐れるほどの費用はかからない。
    (上記に関しては黒あざのページをご参照ください)
  2. しみ・しわもレーザーでほとんど分からないレベルにまでする事も可能。
    また薬剤で皮膚表面の角質を薄くはがし、皮膚の生まれ変わりを早める治療(ケミカルピーリング)も効果が高い。
  3. にきびもケミカルピーリングとレーザー照射を併用すると非常に効果が高い。
    (上記に関してはにきびのページをご参照ください)

上記の内容でお話しさせていただきました。