皮膚から少し盛り上がった赤い発疹の上に銀白色のフケのような垢が付着し、 ポロポロとはがれ落ちる病気です。もともと、 欧米人に多い病気でしたが、最近は日本人にも多く見られ、 10万人以上の患者さんがいると言われています。
どうして乾癬になるの?
乾癬が起きるはっきりとした原因はまだわかっていません。
体質的な要素(遺伝的素因)に外的因子(精神的ストレス、感染症、薬剤など)、内的因子(糖尿病、高脂血症、肥満など) が加わることで、 発病するのではないかと考えられています。
乾癬は遺伝するの?
乾癬になりやすい体質は遺伝することもあると言われています。
しかし、乾癬になりやすい体質だからといって、必ずしも乾癬を発病するとは限りません。
発病には外的因子が強くかかわると考えてください。
乾癬はうつるの?
乾癬は、まわりの人にうつることはありません。
温泉やプールなどに入っても絶対にうつりませんので、ご家族やまわりの人に正しい知識をもってもらいましょう。
【乾癬の治療法】
今のところ、乾癬を完全に治す治療はありません。
症状を抑え、いい状態を保つための治療を行っていきます。
外用療法 | ビタミンD3外用薬、 ステロイド外用薬を症状に応じて使い分けます。 外用薬の塗り方として、ODTを行うことで効果を高めることができます。 |
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内服療法 | 症状に応じて免疫抑制剤(シクロスポリン)などを服用することもあります。 内服薬は、時に副作用が起きることもあるので、定期的に検査を受けてください。 |
光線療法 | ソラレンという光に対する感受性を高める薬を内服、または外用した後に長波長紫外線(UVA) や中波長紫外線(UVB)を照射します。 ※当医院では行っていません。 |
乾癬は良くなったり悪くなったりををくり返しながら、長く続く病気です。
治療を受けながら、うまく付き合って行くことが大切です。
季節による症状の変化 | 乾癬は夏に良くなり冬に悪化するのが一般的です。 冬は皮膚が乾燥するので、保湿剤などで乾燥を防ぎましょう。 |
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感染症に注意 | 風邪・扁桃腺炎などの感染症にかかると乾癬は悪化することが多いので注意してください。 |
皮膚への刺激を避ける | 衣服でこすれたり、皮膚を掻いたりするなどの刺激が、乾癬を悪化させます。 かゆみがつらいときは、主治医にご相談ください。 |
ストレス | 肉体的・精神的ストレスは乾癬を悪化させると言われています。 |
皮膚の清潔 | 入浴やシャワーは毎日行い、清潔を保ちましょう。 ただし、ゴシゴシとこすりすぎたり、体を温めすぎるとかゆみが強くなります。 |
ODT (軟膏またはクリームを外用した後, サランラップで覆って密封する治療法)
軟膏を患部に単純塗布し、その上をサランラップで覆い、絆創膏で周囲をテープ固定し密封状態にする方法で、 密封効果により経皮吸収が促進されます。
- 患部に軟膏を塗ります
- ラップで覆います
- テープで固定し密封します。
1日数時間でもいいので、できるときに行ってください。