2004年4月28日に太田市の私立ひかり幼稚園さんで子供の皮膚についてお話しをさせていただきましたので報告します。
最近当院へ受診される方から
「プール開きが近くなり、幼稚園で水いぼを取ってくるよう指示があったので来てみましたが・・・。」
という相談が多くなって来ました。
医療機関ごとに水いぼに対する対応が違うため、幼稚園・保育園・小学校の先生方は保護者の方々への説明に苦慮しておられるようです。
その上水いぼの処置が大変な痛みを伴うため、一度処置をしたお子さんはそれ以降医療機関に対して非常に悪い印象を持ち、
保護者の方も苦労をされる事が多いようです。
そこで太田においての水いぼへの対応については皮膚科学会の方向性を中心とした考え方をご理解頂き、
子供達とプールに関わる方々が安心してもらえるように出来ないかと考え勉強会のような場をあちこちで作ろうと考えています。
欲を言えば、太田の方々に水いぼに関しての一つの合意、コンセンサスを得たいと考えています。
水いぼとそれにまつわる今までの流れ・治療方法についてはこちら(水いぼについて)
もちろん水いぼだけに終始すれば10分も有ればお話しできます。
でもそれでは準備にかかる時間の方がはるかに長くなってしまう上にお時間を頂いた折角の機会ですので、幼稚園・
保育園などの先生方が保護者の方から良く質問される、気になる事についてもお話しさせていただこうかと考えています。
今回はひかり幼稚園さんで職員の方々を対象としたお話しをさせていただきましたので、こちらでご報告いたします。
お話しさせていただいた内容は
- 水いぼは取る必要がない(根拠について)。いかに悲惨な光景が院内で繰り広げられているか、写真を交えて説明。
- 皮膚は表皮・真皮・皮下組織から出来ているが、
なんと言っても外界からのバリア機能を果たす表皮の状態を健やかに保つ事が大切である。 - 「アトピーですねー」などと診断されて来院した患者さんのうち、ほとんどが乾燥性湿疹などのアトピー類似症状であり、
アトピーではない。当然正しい皮膚のメンテナンスをすれば、その多くが改善する。 - アトピーに対していろいろな営利目的の業者が「アトピービジネス」といわれるような詐欺まがいの行為を行っている。
民間療法を完全に否定するわけではないが、実際根拠の無いものが多く注意が必要。 - ステロイドはきちんと診断できてきちんと使い分けられる医師が使えば決して恐ろしい薬ではない。
- とびひは鼻くそをほじらなければ感染しない。
- ヘルペスウイルス感染症の感染様式、発症様式について。
- 職員の方よりリクエストのあった、シミについての対処法について説明。
上記の内容でお話しさせていただきました。
今後も皮膚疾患についての正しい情報をお話できるような機会を多く持てればと考えています。