2005年9月14日、太田市沢野行政センターさん主催で、「身近な皮膚の病気について」お話させていただきました。
お話させていただいた内容は以下の通りです。
乾燥肌について
- 皮膚は角質層と皮脂によって体と外部とを仕切る役割を担っている。
しかし年齢を重ねるにしたがって皮脂の分泌量が減少するため角質層を接着するセラミドも減少してしまい、異物が侵入しやすく、乾燥しやすい肌になってしまう。 - 蛇口をひねればお湯が出る、またどこにでも石鹸があると言う環境が整ったのはこの20年間くらいである。
それまでは毎日お湯につかって、毎日石鹸で体を洗う事など出来なかった。現在の環境では皮脂を取りすぎてしまい乾皮症・乾燥性湿疹になる可能性は高いと言える。 - 異物が侵入すると、免疫機能が(人体を国に例えるとちょうど軍隊のように)働き、炎症反応を起こして異物を破壊する。そうなると「かゆみ」が発生する。かゆい部分を掻きこわしてしまい、
皮膚にいる常在菌を直接皮膚の中に食い込ませる事になると常在菌まで敵とみなしてしまい、
今度は免疫細胞が毛穴にいる常在菌まで攻撃を始めてしまい、湿疹が全身に広がりを見せる事もある(自家感作性湿疹)。
カビによる疾患について
- カビは足白癬のように足の裏に生えるのみならず、全身に生えることもある。陰部に生えれば「いんきん」、頭なら「しらくも」などと言われるが、基本的には同じ病気である。
- カビが爪の中にまで食い込んでしまうと、表面に軟膏を塗っただけではほとんど治らない。そのような場合には経口抗真菌薬を飲み、気長に爪が生え変わるのを待つ事になるが、効果は非常に高い。
ヘルペスウイルス感染症について
- 良く「ヘルペス」という言葉を耳にするが、これは言ってみれば地球上の「人間」と言っているようなもので、
日本人がいればアメリカ人、またインド人がいるように、ウイルスの1種族をさす言葉。口にできるものや性感染するもの、水ぼうそう・帯状疱疹を起こすものなどあるが、似た性質を持っている。 - はしか・みずぼうそう・風しん・リンゴ病・ 水イボなどのウィルス性疾患について
上記の内容でお話しさせていただきました。